光のもとでⅠ

「インフルエンザで入院って何、って話でしょ?」
 あぁ、そっちか……。
「三十八度から三十九度台なら自宅療養で問題なかっただろう。けど、残念なことに翠は四十度どころか四十一度を超えた。だから入院」
 この場で驚いた顔をしなかったのは簾条のみだった。
 きっと御園生さんから聞いて知っていたに違いない。
 その後、俺たちは紅葉祭の仕上げに入った。
 学校としての「紅葉祭」は終わったが、俺たちの「紅葉祭」はまだ終わっていない。
 俺と優太は会計作業に徹し、ほかの人間は紅葉祭で使った資料やミーティング内容、実際に使われた進行表やトラブルの報告書などを見やすくファイリングしていく。
 それらがすべて終わったら学校長に提出。
 学校長がそれらを精査し、学校印を捺印されたものが返ってきた時点ですべてが終了する。