蒼兄か誰かが帰ってきたのだろうか。
時計を見ればまだ六時前だ。
栞さんと美波さんの「おかえり」という声がする。それに答えた声は低く静かな声。
司先輩だった。
ドアが開くと美波さんが救急箱を持っていて、
「拓斗が帰って来るからまたね」
と、手を振ってくれた。
「今日はありがとうございました」
「いいえ、どういたしまして。手のカバーは栞ちゃんに策があるみたいだから、栞ちゃんに任せるわ」
入れ替わりに司先輩が入ってきて、かばんを置くと洗面所に向かったようだ。
美波さんを見送った栞さんが部屋に入ってくる。
「翠葉ちゃん、首にこれを巻きましょう」
エプロンのポケットから白い包帯を取り出した。
「とりあえず、直接手が触れないようにね。髪の毛、ちょっと持っててもらえる?」
言われて、髪を自分で持ち上げると、ぐるぐると首の回りを太めの包帯で巻かれた。
時計を見ればまだ六時前だ。
栞さんと美波さんの「おかえり」という声がする。それに答えた声は低く静かな声。
司先輩だった。
ドアが開くと美波さんが救急箱を持っていて、
「拓斗が帰って来るからまたね」
と、手を振ってくれた。
「今日はありがとうございました」
「いいえ、どういたしまして。手のカバーは栞ちゃんに策があるみたいだから、栞ちゃんに任せるわ」
入れ替わりに司先輩が入ってきて、かばんを置くと洗面所に向かったようだ。
美波さんを見送った栞さんが部屋に入ってくる。
「翠葉ちゃん、首にこれを巻きましょう」
エプロンのポケットから白い包帯を取り出した。
「とりあえず、直接手が触れないようにね。髪の毛、ちょっと持っててもらえる?」
言われて、髪を自分で持ち上げると、ぐるぐると首の回りを太めの包帯で巻かれた。


