光のもとでⅠ

 正直、不整脈が体調の悪さからきているものなのか、場の状況に応じて変化しているものなのかはわかりかねる。
 けれども、規則他正しく動作していないのは確かだった。
「わー……ごめん。ただ、もう少しふたりにしてあげたいかな、って思っただけなんだ」
 久先輩の言葉を疑問に思う。
「どうして、ですか? ……もう仲直りはしたのに」
「……うん。今回はさ、司、かなり堪えてたからね。早い話、翠葉ちゃんを失うかもしれないって瀬戸際にいたわけでさ……」
 言われてゾクリと悪寒が走る。
 それは自分が逆の立場だったら、と考えたから。
 想像をするのに時間などかからない。
 私はその闇の深さを知っている。
 いとも簡単に思い出すことができる。
 底知れない不安と恐怖――。