二コールも鳴らさないうちに応答がああった。
『どう? 大丈夫?』
「久先輩、今はどこに……?」
『ん? マンションの下。っていうか、若槻さんたちと一緒にいるよ。車ん中』
「あの、教えていただきたいことがあって……」
『うん、俺に答えられることならなんでも訊いて?』
「……あの、仲直りってどうしたらいいんですか?」
『……はい? もう一度お願い』
「あの、仲直りってどうしたらいいんですか?」
『……若槻さん、聞こえました? そちらのお兄さんも』
『聞こえた聞こえた。わが妹、リィらしい質問が……。あんちゃん、どうよ』
『どうも何も……。翠葉、話は済んだのか?』
「……たぶん? 私は言いたいことを怒鳴ったらすっきりしちゃったけど……」
 ツカサに視線を向け、「ツカサは?」と目だけで訊く。