無言の時間がとても長く感じる。
 自分の心臓が忙しなく鳴っていて、私の耳元にあるツカサの心臓もまた、忙しく動いていた。
 ドクドク、と同じくらいの速さでとても力強く――。
「翠……」
 身体に力が入らなくても声は出るのだろうか。
 そんなことを思いながら返事を試みる。
「ツ、カサ……?」
 かろうじて声は出る。
 けれども話しづらい。
 それはきっと、落ち着きの悪い体勢のせい。
 ツカサの顔を見たくて首だけでも動かせないものか、とがんばってみたけれど、少し力が入ったところでツカサに却下された。