「言われてるけどっ、立ち止まれないときだってあるっ」
 少しして視界がクリアになったとき、目に映ったのは白い――ツカサのシャツだった。
「っ……ごめんっ」
 私が躓いたのはラグの上に無造作に転がっていたクッションで、膝をついたのは司の足と足の間だった。
 手をついた場所がラグだったから気づかなかったけど、ものすごく至近距離にツカサがいた。