席に着いている唯兄以外の人は誰もが呆気に取られていた。
 唯一、蔵元さんだけが呆れからか額に手を当てる。
 話だけは聞いていたらしいお母さんがトレイを持って現れると、クスクスと笑いながら話の輪に加わった。
「そうね、唯が言うことは一理あるわ。いいじゃない、唯話しちゃいなさいよ」
「だよねー? 碧さんの了解得たから話しちゃおー」
 唯兄はひとつひとつが複雑に絡み合う内容を淡々と話してくれた。