「向こうの部屋には誰がいるの……?」
恐る恐る尋ねると、
「唯と秋斗くんと蔵元くん。それから湊先生と静もいる」
ツカサはいない――。
「少し込み入った話なの。主に藤宮の内情として。きちんと理解するには少しでも落ち着いた状態のほうがいいのよ。だから、みんな待っていたの。これから聞く話は藤宮のお家事情的なものよ」
お家、事情……?
「翠葉、私も翠葉と同じ道を歩いてきたのよ? 説明されて納得できなかったことなんて山ほどあるわ。理不尽だと思ったこともそれ相応にある。それでも、静は今でも私の親友なの」
お母さんの言葉はとても重い。
経験者の言葉として、とても重く響いた。
ほんのりと甘いカモミールミルクを飲み終わると、私は蒼兄とお母さんに付き添われて部屋を出た。
廊下の先、ドアの向こうへ行くために。
恐る恐る尋ねると、
「唯と秋斗くんと蔵元くん。それから湊先生と静もいる」
ツカサはいない――。
「少し込み入った話なの。主に藤宮の内情として。きちんと理解するには少しでも落ち着いた状態のほうがいいのよ。だから、みんな待っていたの。これから聞く話は藤宮のお家事情的なものよ」
お家、事情……?
「翠葉、私も翠葉と同じ道を歩いてきたのよ? 説明されて納得できなかったことなんて山ほどあるわ。理不尽だと思ったこともそれ相応にある。それでも、静は今でも私の親友なの」
お母さんの言葉はとても重い。
経験者の言葉として、とても重く響いた。
ほんのりと甘いカモミールミルクを飲み終わると、私は蒼兄とお母さんに付き添われて部屋を出た。
廊下の先、ドアの向こうへ行くために。


