光のもとでⅠ

 けれども、秋斗さんは「気がした」の状況を突破してくる。
「今日、司と一緒にいたときの君はすごく困っているように見えた。でも、俺ならそんなことにはならないよ」
 なんと答えたらいいのか逡巡しているところに蒼兄がやってきて、それまで話していた内容は、まるで水が流れるみたいに時間と共に流れていった。
 きっとそんなところも秋斗さんの気遣いのうち。
 わかっているのに何も言えなくて、言えないのに優しくされるから、もっともっと自分が嫌いになってしまいそうだった。