「美味しい……」
「でしょうっ!?」
 美波さんが自慢げに話す。まるで美波さんが作ったかのように話すからおかしくて笑ってしまう。
「そうっ、笑うのよっ! 笑って免疫力アップを図るのよっ!」
 隣から伸びてきた指に頬をぷに、とつつかれた。
 もしお母さんがここにいたら同じように言ったかな……。
 そんなことを考えていると、
「碧さんの代わりに翠葉ちゃんが食べ終えるまで翠葉ちゃんをじっと見ててあげるからね」
 と、美波さんはいたずらっぽく笑った。
 おうどんは朝ご飯よりも食べやすくて、残さずに食べられたことに達成感を感じた。
 薬を飲めばまだ睡魔に襲われる。
「少し寝て、目が覚めたら起きればいいわ」
 それに頷き、部屋に戻って横になった。
 この薬を飲んでいる限り、お昼のあとの一時間は授業に出られそうにない。
 そんなことを考えながら眠りの淵に落ちるのだ――。