「膝掛けがあればいいんだけど、生憎なくてね」
「あ、いえっ――かえって気を遣わせてしまってすみません」
 こんなことならゲストルームのほうが良かっただろうか。
 そんなことを考えている私の隣に秋斗さんが腰を下ろすと、
「翠葉ちゃん、今、責められたいと思っているでしょ?」
 突如話が本題へ戻され、反射的に息を呑む。
「当たり、だよね?」
 私は無言で肯定した。
「俺もなんだ……。できることなら君に責められたい。零樹さんや碧さん、蒼樹や唯に責められたかった」
 今度は息を呑むどころか、心臓を鷲づかみにされた気がした。