「そういうことって……何?」
「……話の流れから察するに、藤宮先輩と御園生は付き合うことになったんじゃないの?」
 佐野くんの言葉に仰天する。
「……えっ!? あっ、デートって違うよっ!? 海斗くん、違う違うっ。ただ、藤山の紅葉を見に連れて行ってもらう約束をしていただけっ。本当にそれだけなのっ」
 付き合うとか付き合わないとか、そんな話は一度もしてないものっ。
 私は佐野くんと海斗くんの方へ身体の向きを変え、一生懸命説明した。
「や……御園生、そこまで全力で否定しなくても」
「うん……そこまで全力で否定されると司が惨めすぎて……」
「えっ!? どうしてツカサが惨めになるのっ!?」
 前の席に座るツカサに視線を戻すと、ツカサは口端を上げ呆れの混じる表情で私を見ていた。
「別にかまわない。さすがに慣れた」
 慣れた……?