光のもとでⅠ

「いくら秋斗でも無理矢理翠葉ちゃんを襲うことはない、って。……少し冷静になって考えればわかることなのにね。私、しばらく秋斗くんのこと警戒しすぎていたわ」
「いえ……。それまでの私が私だったから……」
 栞さんは私のことをずっと見てきてくれた。
 二月からの私を。高校へ通い始めてからの私を。
 擦過傷のことも何もかも、栞さんは誰よりも近くで見てきたのだ。
「あまりにも私が秋斗くんを敵視するから、後日静兄様に呼び出されたわ。秋斗くんが何を思ってあんな行動に出たのか……。それを聞いても私の憤りはおさまらなかった。ほら、秋斗くんに会わせるっていうのも最後の最後まで反対していたくらいだし」
 栞さんは言葉を区切り、クスリと笑う。