施術が終わってから十五分ほど休み着替えを済ませると、私は九階へ上がった。
今日はカイロや鍼の治療はない。
でも、相馬先生にも会って伝えたかった。
ポーン、と軽やかな音が鳴り扉が開く。
いつもと変わることのない薄暗い廊下をナースセンターに向かって歩く。
靴音が聞こえていたからか、先生はナースセンターから出てきた。
「どうした?」
「先生、私、記憶が戻りました。そのことだけ伝えようと思って」
「……そうか」
先生は私の近くまで来ると何も言わずに両手首を掴んだ。
言われなくてもわかる。
いつもの脈診だ。
今日はカイロや鍼の治療はない。
でも、相馬先生にも会って伝えたかった。
ポーン、と軽やかな音が鳴り扉が開く。
いつもと変わることのない薄暗い廊下をナースセンターに向かって歩く。
靴音が聞こえていたからか、先生はナースセンターから出てきた。
「どうした?」
「先生、私、記憶が戻りました。そのことだけ伝えようと思って」
「……そうか」
先生は私の近くまで来ると何も言わずに両手首を掴んだ。
言われなくてもわかる。
いつもの脈診だ。


