記憶が戻ったことを伝えなくてはいけない人はたくさんいるけれど、栞さんにはなるべく早く話そう。
 秋斗さんに不信感を持った人たちが栞さんと私の家族ならば、誤解を早く解かなくてはいけない。
 きっと、うちの家族は大丈夫。
 今まで見てきた限りでは、四人が秋斗さんに不信感を持っているようには見えなかった。
 もし強い不信感を持っていたのなら、パレスへの旅行だって許してはくれなかったと思うから。
 病院から帰ればゲストルームに栞さんがいるはず。
 帰ったら真先に話そう――。