「先生……」
「何?」
「……私、記憶が――」
カルテから視線を移した先生と目が合う。
「記憶が戻りました」
「……そう」
それと合わせて言わなくてはいけないことがある。
「私……秋斗さんのせいで記憶をなくしたわけじゃありません。私は、自分のしたことを受け止められなくて記憶を手放したんだと思います」
「……そう。今は?」
「今は……自分が何をしてきたのか、目を逸らさずに見ることができます」
私はす、と息を吸い込む。
「先生は……先生は、秋斗さんのことを疑ったりしますか?」
次の瞬間には先生の手が近づいてきて、額に軽くデコピンをされた。
「何?」
「……私、記憶が――」
カルテから視線を移した先生と目が合う。
「記憶が戻りました」
「……そう」
それと合わせて言わなくてはいけないことがある。
「私……秋斗さんのせいで記憶をなくしたわけじゃありません。私は、自分のしたことを受け止められなくて記憶を手放したんだと思います」
「……そう。今は?」
「今は……自分が何をしてきたのか、目を逸らさずに見ることができます」
私はす、と息を吸い込む。
「先生は……先生は、秋斗さんのことを疑ったりしますか?」
次の瞬間には先生の手が近づいてきて、額に軽くデコピンをされた。


