私はいつもと変わらないひとつひとつにほっとし安堵する。
 そして昼休みになると、私は桃華さんたちに記憶が戻ったことを話した。
 四人とも驚いた顔をしていたけれど、一番驚いていたのは飛鳥ちゃん。
 何しろ、飛鳥ちゃんだけは私が記憶をなくしていたことを知らなかったのだ。
 自分自身隠してきたつもりがなかっただけに、私も驚いた。
 飛鳥ちゃんは最初こそむくれていたけれど、帰りのホームルームの頃にはすっかりいつもどおりに戻っていた。
「ごめん。知らなかったことがちょっとショックだっただけ。でも、記憶が戻ったなら良かったよね? 良かったんだよね?」
 訊かれて、私は「うん」と頷いた。