「自慢の兄なんです。あともうひとりいるんですけど、唯兄も格好いいですよ」
「あとでチェックしなくちゃ……」
「ターマーキ……」
 宮川さんは呆れたように小宮さんを諭す。
「じゃ、翠葉ちゃん。シャンプーしちゃおう!」
 私は小宮さんに連れられてシャンプー台へと向かった。

 シャンプーが終わると、宮川さんに確認される。
「毛先を揃えて重くなったところは少し梳いて……あとは前髪を切る、で良かったかな?」
「はい、お願いします」
「前髪、長いのも似合うと思うけど?」
 鏡の中の宮川さんに、「いいの?」と目で訊かれる。