光のもとでⅠ

「ちょうど良かった！　今ね、お店のお遣いに来てたの。お店まで一緒に行こう」
　小宮さんの太陽みたいな笑顔に頷き、七、八分の道のりを一緒に歩いた。
　美容院へ着くと宮川さんが出迎えてくれる。
　ほかのスタッフさんはこちらに目をやり、にこやかに「いらっしゃいませ」と口にした。
　それと同じくらいのタイミングで、カランコロン、と優しい音色のドアチャイムが鳴った。
　振り返ると、蒼兄が立っていた。
　たった一日離れていただけなのに、ひどく懐かしい気がしてしまう。
「おかえり」
「ただいま……」
　私の大好きな優しい笑顔だけれど、どこかほっとしているようにも見える。
「知らない人に声かけられたりしなかったか？」
　きっと、道中の心配をしていたのだろう。