「……お嬢さんは自分の気持ちを殺すつもりかの?」
「いえ、私は選んだだけです。自分の気持ちを殺すとかそういうことではなくて、どちらも手放したくないという選択をしました。これは、何も……誰も失わないための選択です」
今の自分に一番正直な選択。
そのはずだった――。
すべてを話し終えたとき、時刻は一時を回っていた。
私たちは遅めのランチを一緒に食べ、レストランをあとにした。
フロント脇のロビーに出ると、木田さんが朗元さんに声をかけた。
「お迎えのお車がいらしています」
「ふむ……。お嬢さんはどうするのかの?」
「え……?」
「藤倉へ戻るのなら一緒に戻るかの?」
「……いえ。私は電車で帰ります。そしたら、家出ではなく旅行になるらしいので」
にこりと笑って見せると、朗元さんもにこりと笑った。
「いえ、私は選んだだけです。自分の気持ちを殺すとかそういうことではなくて、どちらも手放したくないという選択をしました。これは、何も……誰も失わないための選択です」
今の自分に一番正直な選択。
そのはずだった――。
すべてを話し終えたとき、時刻は一時を回っていた。
私たちは遅めのランチを一緒に食べ、レストランをあとにした。
フロント脇のロビーに出ると、木田さんが朗元さんに声をかけた。
「お迎えのお車がいらしています」
「ふむ……。お嬢さんはどうするのかの?」
「え……?」
「藤倉へ戻るのなら一緒に戻るかの?」
「……いえ。私は電車で帰ります。そしたら、家出ではなく旅行になるらしいので」
にこりと笑って見せると、朗元さんもにこりと笑った。


