光のもとでⅠ

 朗元さんは口髭をいじって唸る。
「お嬢さんは自分に厳しいうえに欲がないのぉ……」
 それは違う……。
「朗元さん、違います。私は自分にとても甘いし欲張りです」
「とてもそうは見えぬがの」
 私は自分の手に視線を落とした。
「もし、ひとりを選んだらどうなるでしょう」
「ひとりはあぶれるのぉ。三、という奇数はそういう宿命じゃ」
「私はそれを受け入れられません。でも、あぶれない方法がひとつありました」
「ほう、どんな方法じゃ?」
「最初から偶数になることを望まなければいい。ただ、それだけです」
「……ふむ。極論じゃが、理論的には成立するのぉ。だから手を取らぬ、か」
「はい……。ふたりとも、とても……とても大切な人なんです。恋愛感情でひとりを選んでひとりを失うなんてできないくらいに」