光のもとでⅠ

「それが断った理由かの?」
「はい」
「じゃが、『最初は』ということは、そのあとがあるんじゃな?」
「はい。その人はそのあとも気持ちを伝え続けてくれました。どんな私でもいいと言って……。とても嬉しかったです。だからお付き合いすることにしました。でも――やっぱりだめだったんです」
「どうしてかの?」
「朗元さん、笑わないでくださいね?」
 私はほんの少し笑みを添える。
「もちろんじゃ」
「すごく好きな人なのに、怖くなっちゃったんです」
 朗元さんはとても不思議そうな顔をした。
「手をつなぐ、抱きしめられる、キスをする……」
 口にするだけでも恥ずかしい。
「最初は驚いたりびっくりするだけだったんですけど、どうしてか、途中から全部が怖くなってしまって……」