光のもとでⅠ

 涙が止まらなくて頭が痛い。
 気づいたところで過去には戻れない。
 過去に戻ることはできないのだ。
 それに、過去に戻ってどうするというのか……。
「お薬……」
 私はここまで逃げてきてもなお薬に逃げる。
 ありきたりな理由を言い訳にして。
「明日、朝食までには起きなくちゃいけないから寝なくちゃ……」
 携帯を見れば一時半を回っていた。
 久しぶりの夜更かしだった。
 サイドテーブルに置いたピルケースから薬を取り出し、寝る前の薬を飲む。
 でも、横になってもしばらくは眠れなかった。
 最後に時間を確認したのは二時五分だった――。