光のもとでⅠ

 あれが初恋だったの……?
 もし、そうなら納得できることがある。
 ホテルで、ツカサが女の子に笑顔で手を差し伸べているのを見たときに感じた気持ち。
 動揺したのは衝撃を受けたからで、衝撃はショックというものだったのだ。
 秋斗さんはそれに気づいていたから、「とても気になる人がいたんだ」という言い方をしたのね。
 秋斗さんは何度も私にヒントをくれていた。
 あの日だって、きちんと言葉にしてくれていた。
「恋、だと思う?」と訊かれてもしっくりこなかったのは、私が「恋」を知らなかったから?
 秋斗さんはことあるごとにあの日の出来事はきちんと考えたほうがいいと言ってくれていた。
 今になって気づくなんて――。