光のもとでⅠ

「え?」
「久遠はこんななりをしていても合気道の師範代でね。ホテル内はまず大丈夫だと思うが、一応依頼をしておいた」
 もう何も言えない……。
 何かを言う余力もなければ言葉も出てこなかった。
 のちに知ったこと――。
 今日、こういう話をすることは、私が土曜日にホテルへ行くと連絡した時点で決まっていたことであり、その日のうちに両親にも知らされていたのだという。
 この件を同日に知った唯兄は、私がリメラルドとして活動するのに極力リスクが低くなるように環境を整備し、さらには私がリメラルドを降りたときにもホテル側に損害が出ないよう画策していたのだとか……。