光のもとでⅠ

 頭が痛いわけではない。
 それでも私は自分の額に手を添える。
 頭を抱えたくなるとはこういうことをいうのだろうか……。
 目を瞑り、目の前のものすべてをシャットアウトすると、男性ではない声がかけられた。
「お嬢様、まずはお茶をお飲みになられてはいかがでしょう?」
 園田さんだった。
 勧められたとおりにお茶を口にすると、ぬるくなってしまったカモミールティーが口に広がった。
 香りが口から鼻に抜けるのを意識して感じ取る。
「翠葉ちゃん、あまり気にしなくていいと思うよ? あ、俺もね、一緒に仕事するときはカメラマン兼翠葉ちゃんの護衛担当だから」