静さんが席に着くと、園田さんと澤村さんが新しい飲み物を運んできた。
 ふたりは飲み物を配り終えると静さんの背後に立つ。
「こんな話をしたあとでなんなんだが、実は警護はとうにつけさせてもらっている」
 静さんはまるで悪びれることなく言う。
「蒼樹くんも翠葉ちゃんも、碧が妊娠した時点で警護対象者確定だったからね。生まれたときから碧につけている警護班の人間がついているも同然なんだ。さらには今年に入ってからは栞が御園生の家に出入りしていただろう? 碧が現場で仕事をしていても、栞につけている警護班が御園生の家にはついていた」
 私はびっくりすることしかできず、言われた言葉を呑み込むのに苦労していた。