「藤宮に守られてもらえないとなると、私は――いや、私たちは翠葉ちゃんとのつながりを絶たなくてはいけない」
 会議室のドアの前には静さんが立っていた。
 いつからそこにいたのかはわからない。
 人が入ってきたなんて全く気づかなかった。
 静さんの傍らには澤村さんもいて、私たちから少し離れた席に座っていたはずの園田さんも澤村さんの隣に立っていた。
 静さんはゆっくり歩き、話しながら私のもとまでやってくる。
「翠葉ちゃんの命にも人生にも関わることだから、本当は時間をかけて考えてもらいたかったんだけどね。うちのヒヨコどもの動きが悪いがゆえに、君にしわ寄せがきてしまった。申し訳ない」