光のもとでⅠ

「藤宮」と関わることの危険性。
「リィ……? リィはさ、藤宮の人間とずいぶん仲がいいよね? しかも、現会長直系の人間ばかり」
 唯兄を見ると、唯兄も真面目な顔をしていた。
「リィは時代を担うであろう藤宮の人間たちと距離が近すぎるんだ。そこを付け狙われる可能性がある。だから警戒レベルを上げる必要があった。勝手に警護をつける程度の警戒レベルではなく、最上級の警戒レベル。それはオーナーの庇護下に入ることを意味する。リィには藤宮財閥ナンバーツーがついてる。それを匂わせるだけで手を出せなくなる輩もいる。それと同時にリスクも上がる。オーナーのネックになるのなら、それを手に入れ交渉時の切り札にしようと思う人間も出てくる」
 海斗くんはこれを言いたかったんだ……。
 あのときは時間もなかったから、きっと詳しく話すことができなかったのだろう。