「仕事の連絡は今までどおりオーナーか若から伝えられる。連絡経路はそのふたつしかない。もし、スタッフの名前や番号で連絡が入ってもすべて無視してくれ」
「あの、理由を教えてください」
「姫さんの身の安全のためだ」
「……意味がわかりません」
「そうさなぁ……簡単に言うと、スタッフの名前で連絡が入りました。姫さんはそれに応じて出かけました。ところが待ち受けていたのはスタッフではなく誘拐犯でした。――そんなことがあってもおかしくはない。それを防ぐために連絡経路を確実な線、ふたつに絞ってある」
誘拐って、何……?
疑問と共に頭をよぎったのは海斗くん。
紅葉祭が始まる前、とても言いづらそうに話してくれたこと。
「あの、理由を教えてください」
「姫さんの身の安全のためだ」
「……意味がわかりません」
「そうさなぁ……簡単に言うと、スタッフの名前で連絡が入りました。姫さんはそれに応じて出かけました。ところが待ち受けていたのはスタッフではなく誘拐犯でした。――そんなことがあってもおかしくはない。それを防ぐために連絡経路を確実な線、ふたつに絞ってある」
誘拐って、何……?
疑問と共に頭をよぎったのは海斗くん。
紅葉祭が始まる前、とても言いづらそうに話してくれたこと。


