光のもとでⅠ

「ちゃんと空気口とかついてるし、夏場の暑い時期なんかは保冷剤やら飲み物完備で詰められて搬入搬出直後に即行出してもらってるから心配しなくて大丈夫だよ?」
「クゥはちっさいからなぁ? コンパクトにおさまって助かるよ」
 これはいったいどんな会話だろう……。
 どうも「仕事」というよりも世間話な気がしてならない。
 そう思っていると、急に話の内容が転じる。
「姫さんにはスタッフの連絡先を教えているが、うちのスタッフは姫さんの連絡先は知らせていない。後々メアド交換や携番交換するのはかまわないが、うちのスタッフから姫さんに連絡がいくことはない。それだけは覚えていてほしい。いつどんなときでもしっかりと思い出すようにしてほしい」
「どういうことですか……?」
 ずっとにこにこと笑っていたシゲさんが急に真面目な顔をして言うから、普通に「わかりました」と聞き流してはいけない気がした。