「だってさぁ、ここの人間のことだから、名前を略して呼ぶなら間違いなく『スイ』になったと思うでしょ?」
「思う思う」
シゲさんはふたりのやり取りを見ながら、
「それじゃだめだったのか?」
「藤宮一族のひとりが『スイ』って呼んでるんですけど、たぶん、ほかの人間がそう呼ぶのは良しとしないだろうな、って話です」
久先輩の説明にシゲさんは感心したように私を見た。
「姫さんは本当に藤宮の人間と縁があるんだなぁ? ま、一族の不興を買うとわかっててその呼び名を使うこともないな」
シゲさんは納得したようだったけれど、私はここまで来てツカサの話題になるとは思ってもみず、ちょっと心拍が忙しいことになっていた。
「思う思う」
シゲさんはふたりのやり取りを見ながら、
「それじゃだめだったのか?」
「藤宮一族のひとりが『スイ』って呼んでるんですけど、たぶん、ほかの人間がそう呼ぶのは良しとしないだろうな、って話です」
久先輩の説明にシゲさんは感心したように私を見た。
「姫さんは本当に藤宮の人間と縁があるんだなぁ? ま、一族の不興を買うとわかっててその呼び名を使うこともないな」
シゲさんは納得したようだったけれど、私はここまで来てツカサの話題になるとは思ってもみず、ちょっと心拍が忙しいことになっていた。


