「それでしたら、どうぞ。このカップを丸いところに置いてボタンを押します」
 言われたとおりに麦茶のボタンを押すと、ちょうどカップ一杯分のお茶が出てきた。
「わぁっ! ボタンひとつで一杯分のお茶が出てくるんですねっ?」
「はい。こちらのウォーターサーバーはコックを捻るタイプです」
 園田さんが操作するのを見てコーヒーの入れ方も覚えた。
 それらを持って唯兄たちのところへ戻ると、どうしてか三人とも笑っている。
「どうか、しましたか?」
「いやぁ……姫さん見てるの飽きないなぁ、と思いまして」
 シゲさんが私の何を見て飽きないと言ったのかがわからない。