光のもとでⅠ

 昇降口を出ると、一、二年棟校舎を振り返りたくなる。
 三階の、向かって右端のクラス。後ろから二番目の席。
 見ているわけがない……。
 そうは思うのに、もしツカサがこっちを見ていたら――と考えると、振り返ることはできなかった。
 矛盾しているのかもしれない。
 会いたくないのに姿は見たいだなんて……。
 気づけばツカサがいないか、と視界に入る人の中を探している。
 最初はばったり会うのが怖くてそうしているのかと思っていた。
 でも、違った。
 遠くからでも良かった。
 米粒ほどに小さくてもいい。
 ただ、ツカサを見たいと思う。
「恋しい」という言葉の意味を痛いほどに思い知った――。