「うん。でも、ちゃんと自分から言ったほうがいいと思うの。だから、言えるところまで話す」
「じゃぁ、聞こうじゃないの」
 唯兄が私の隣に座って左手をぎゅっと握ってくれた。
「考えなくちゃいけないんだけど、今、学校の授業についてくのが精一杯というか、小テストでも点数落としてる状態だから、まずはそこをクリアさせなくちゃいけなくて、そしたら次はお仕事。ちゃんと考える態勢が整うのはそのあとなの。だから、それまで待ってもらってもいい?」
 訊くと、その場にいた四人がにこりと微笑んだ。
 コツリと唯兄の頭が私の頭に当たる。