帰りにホームルームが終わると、
「翠葉、本当にひとりで大丈夫なの? 蒼樹さんに連絡したほうが……」
「ううん。さっきお薬飲んでだいぶ楽になったから大丈夫」
「でも……今日、本当に寒いし」
「大丈夫。朝、首に巻いてきたストール羽織っていくから」
私は桃華さんの心配を笑顔でかわし教室をあとにした。
桜香苑と梅香苑を抜けると大学の敷地内に入る。
まだ、数えるほどしかひとりで歩いたことのない場所を通り私道に入った。
私道の入り口には警備員が常駐する建物がある。
今までは窓越しに会釈をする程度で何も言われずに通り過ぎていたけれど、今日は違った。
校内にいる警備員さんとは違う、普通のスーツを着た人が建物から出てきた。
「翠葉、本当にひとりで大丈夫なの? 蒼樹さんに連絡したほうが……」
「ううん。さっきお薬飲んでだいぶ楽になったから大丈夫」
「でも……今日、本当に寒いし」
「大丈夫。朝、首に巻いてきたストール羽織っていくから」
私は桃華さんの心配を笑顔でかわし教室をあとにした。
桜香苑と梅香苑を抜けると大学の敷地内に入る。
まだ、数えるほどしかひとりで歩いたことのない場所を通り私道に入った。
私道の入り口には警備員が常駐する建物がある。
今までは窓越しに会釈をする程度で何も言われずに通り過ぎていたけれど、今日は違った。
校内にいる警備員さんとは違う、普通のスーツを着た人が建物から出てきた。


