薬が効いたのか、一時間休んだら少しだけ楽になった。
 次の授業には戻れる。
 身体を起こすとカーテンが開き、湊先生が入ってきた。
「大丈夫なの?」
「はい。六限は出られます」
「今日、このあと病院よね?」
「はい」
「行きは歩きで帰りは迎えが来るんだっけ?」
「はい。……あ、湊先生っ」
「何?」
「……先生のご実家は、藤山のどのあたりにあるんですか?」
「うち?」
 私は頷く。