光のもとでⅠ

 昼休みの廊下はほかの休憩時間と違って人が多い。
 私は人を避けるようにテラスへ出た。

 テラスには、秋風というには冷たすぎるくらいの風が吹いていた。
 食堂の中には人がたくさんいる。
 けれど、テラスで食べてる人はひとりもいない。
 そのくらいには寒かった。
 ランニングから帰ってきた蒼兄が寒かったと言っていた。
 朝食のとき、新聞に寒気が流れ込むって書いてあった、と聞いた気がする。
 そんなことを考えながら、携帯の電話帳から鎌田くんの番号を呼び出した。