光のもとでⅠ

 確かに、授業に追いついてない私の小テストの結果は散々なものだった。
 授業始めにある小テストは、みんな満点を採るつもりで挑んでいる。
 その中で、私は十点満点のテストを半分クリアするのがせいぜい。
 これが続けば間違いなく成績に響くだろう。
 そのことを知れば、ツカサがマンションに帰ってくるのはごく当たり前なことだった。
「ごく極当たり前」というのは、それが当然のこと……というわけではなく、ツカサならそう行動するだろう、という意味。
 昨日はそんなことは口にしなかったけど、本当はマンションに帰ってきたのは私に勉強を教えるためだったの……?
「御園生?」
「え? あ……そうだ、私、鎌田くんに連絡しなくちゃいけないんだった」
 咄嗟に思いついた口実を口にし、私は携帯を持って廊下に出た。