「それじゃ、蒼樹さんたち心配したんじゃない?」
 食べ過ぎて胃もたれ……というのが余程意外だったのか、桃華さんは目を丸くしてからクスクスと笑いだした。
「うん。昨日は夕飯に蒼兄はいなかったんだけど、唯兄もお母さんも栞さんもびっくりしてた。でも、やっぱり食べすぎはあまり良くないみたい」
 肩を竦めて桃華さんを見ると、目が合った途端に声を立てて笑い始める。
 どうやら、相当ツボだったみたい。
「あ……そうだ。桃華さん、文系科目を教えてもらいたいのだけど……」
「いいわよ? でも……昨日、藤宮司マンションに帰ったんじゃないの?」
「え……」
 どうしてそれを桃華さんが知っているの……?