「がんばって食べるにしても限度がある、か……」
 もともと胃が小さいのだ。
 そこへいきなり一人前を入れたら、重量オーバーで胃にクレームをつけられても文句は言えない。
 現に、今朝は胃もたれで朝食が食べられなかった。
 かろうじてコンポタージュを数口飲めたくらい。
 こんなことでは心配してください、と言っているようなもの。
 私はエレベーターの中でもう一度ため息をついた。

 教室に着くと、クラスには数人のクラスメイトがいた。
 席に着くまで何人かの人と挨拶を交わし、
「桃華さん、おはよう」
「おはよう。今日は遅かったのね?」
「なんか身体が重くて。坂道を歩いていたら息切れしちゃった」
 私は苦笑しながら胃もたれの話をする。