「いってきます」
「本当に大丈夫なの?」
「大丈夫。昨日、欲張って食べ過ぎちゃっただけだから」
「そう……?」
「うん」
「リィ、お昼ご飯、スープだけはちゃんと飲むんだよ? 確認の連絡入れるからね?」
「唯兄、大丈夫だよ。スープなら飲める。それに、たぶんお昼には胃もたれも楽になってると思うし。そしたら、ちゃんとお弁当を食べるから」
「翠葉、何かあったらすぐに連絡しろよ?」
「蒼兄……大丈夫だから」
 兄ふたりとお母さんに繰り返し「大丈夫」と言って家を出た。
 エレベーターを待っている間にため息ひとつ。