二時間もすると栞さんに夕飯だと起こされる。
 ダイニングには私とお母さんと栞さん、それから唯兄が揃う。
 私は話に混ざらず、一生懸命ご飯を食べる。
「翠葉ちゃん、がんばって食べてくれるのは嬉しいのだけど、大丈夫?」
「大丈夫です。ご飯、すごく美味しいし……それに、このあと勉強しなくちゃいけないからちゃんと食べなくちゃ」
 私は栞さんに笑みを向けた。
 正直、それほど食欲があるわけではない。
 それに、食べ過ぎれば消化に血を持っていかれる。
 それでも、食べなくてはいけないと思った。
 心配をかけないように、これ以上なんの心配もかけないように――。