「だが、楓がそんな電話をしてくるくらいだ。彼女には会わないほうがいいんじゃないか?」
 的を射た言葉に秋斗さんはしばし口を閉じていたものの、
「大丈夫、彼女には会いません。蒼樹か湊ちゃん、もしくは楓に訊きます」
「ならいいが……状況は報告するように」
 と、オーナーが釘を刺した。
 飲み会を続行できるような雰囲気ではなくなり、その場でお開きになった。
 秋斗さんはパソコンをシャットダウンし、真っ青な顔をして部屋を出ていった。
「秋斗の相手をしてくれてありがとう」
 オーナーに言われ、
「秋斗様、大丈夫でしょうか……」
「大丈夫そうには見えないが、これで自殺をする人間ではないよ。とりあえず、一度寝てすっきりさせてから自分で状況確認に行くだろう」
 俺はこの期に及んで、リィの影響力ってすごいんだな、とか考えてた。
 でも、リィに何が起きたのか、自分も少し気になっていた。
 秋斗さんはこの世の終わりみたいな顔色で出ていったけど、状況確認したら俺たちにも教えてくれるのかな。
 そんなことを考えながら自分の部屋へと戻った。