光のもとでⅠ

 勉強をしていると、突然唯兄が目の前に現れた。
「っ……!?」
「リィのそれは相変わらずだねぇ……。すんごい集中力。これ、休んでた分の勉強?」
「……うん」
 私は考えることを放棄して、勉強に頭をシフトした。
 そのほうが楽だったから……。
 少しでも油断すると、思考に呑み込まれて抜け出せなくなる。
 だから、集中できるものが必要だった。
「リィ、オーナーから土曜日の件連絡あったよ。手洗いうがい済ませてきたら戻ってくるからちょっと時間ちょうだい」
「あ、はい」
 唯兄は……。
 唯兄は秋斗さんのことどう思ってる?