「この部屋を酒臭くすると、明日、唯の仕事に影響するだろ? だから別の部屋。でもって、今晩はホテルの一室予約入れておいた。飲む部屋の隣だから秋斗さん潰したらそっちに運ぶ予定」
 はぁ、助かった……。
 自分、酒臭いところでの仕事って頭痛くなっちゃってダメなんだよね。酒自体もあまり飲めるほうじゃないし、誘われないと飲まない。
「秋斗さん、今日は飲む宣言してました」
 ボソリと零すと、
「いったい何があったんだ?」
「いや、リィと折り合いがね――ハハハ。俺も詳しいことはちょっと……」
 と、濁す。
 飲んだくれて秋斗さんが吐いてくれるのが一番助かる。
 口が裂けても秋斗さんがリィに避けられてるかも、なんて言えない。
 なんだか歴史に残りそうな黒い飲み会になりそう。
 蔵元さん、あと頼みました。