「うん……今朝、時間がなくて」
「そっか。あれ、かわいいよね?」
「うん……」
表情筋が変な動きをしないように、神経の隅々までに気を使う。
本当は、いつもと同じようにとんぼ玉に手を伸ばしたの。
でも、どうしてもそれを身につけることはできなかった。
単なる「もの」だったそれらは、記憶がなくても「大切なもの」へと変わっていった。
けれど、記憶を取り戻したら、「大切」の度合いが桁はずれて、どうしたらいのかがわからなくなってしまった。
秋斗さんからいただいたストラップも髪飾りも、ツカサからもらった柘植櫛もとんぼ玉も……。
かと言って、ただで不安な気持ちを抑えて登校するのにとんぼ玉なしでは心許なく、結局それは携帯と共にポケットの中にある。
「そっか。あれ、かわいいよね?」
「うん……」
表情筋が変な動きをしないように、神経の隅々までに気を使う。
本当は、いつもと同じようにとんぼ玉に手を伸ばしたの。
でも、どうしてもそれを身につけることはできなかった。
単なる「もの」だったそれらは、記憶がなくても「大切なもの」へと変わっていった。
けれど、記憶を取り戻したら、「大切」の度合いが桁はずれて、どうしたらいのかがわからなくなってしまった。
秋斗さんからいただいたストラップも髪飾りも、ツカサからもらった柘植櫛もとんぼ玉も……。
かと言って、ただで不安な気持ちを抑えて登校するのにとんぼ玉なしでは心許なく、結局それは携帯と共にポケットの中にある。


