「唯、起きろ」
蔵元さんの声……。
もう一時間経ったの? もう少し、もう少し寝かせて――。
「起きろっ!」
だから、もう少し……。
「蔵元甘い、こんなやつ蹴れば一発だろ?」
えっ!? 蹴ればっ!?
ガツッ――。
「いってぇ……」
信じらんない、この人俺のことベッドから蹴落としやがった。
「な?」
「な? って秋斗様……。微笑む場面じゃございません。唯、大丈夫か?」
と、蔵元さんから手が伸びてくる。
「一応……」
手を借りて立ち上がりつつ、
「秋斗さん、携帯は?」
「復旧済み。これからこのホテルの二十七階に移るから」
「あ、ホテルで飲むんですか?」
蔵元さんに尋ねると、
「一応、唯に気を遣ってくれてるみたいだ」
蔵元さんの口調が若干変わった。ということは無礼講が始まったか。
三人で飲むときの決まりごと。
仕事における上下関係が取っ払われる。
蔵元さんの声……。
もう一時間経ったの? もう少し、もう少し寝かせて――。
「起きろっ!」
だから、もう少し……。
「蔵元甘い、こんなやつ蹴れば一発だろ?」
えっ!? 蹴ればっ!?
ガツッ――。
「いってぇ……」
信じらんない、この人俺のことベッドから蹴落としやがった。
「な?」
「な? って秋斗様……。微笑む場面じゃございません。唯、大丈夫か?」
と、蔵元さんから手が伸びてくる。
「一応……」
手を借りて立ち上がりつつ、
「秋斗さん、携帯は?」
「復旧済み。これからこのホテルの二十七階に移るから」
「あ、ホテルで飲むんですか?」
蔵元さんに尋ねると、
「一応、唯に気を遣ってくれてるみたいだ」
蔵元さんの口調が若干変わった。ということは無礼講が始まったか。
三人で飲むときの決まりごと。
仕事における上下関係が取っ払われる。


