光のもとでⅠ

「……おかえり」
「……何、今の間」
「いや、帰ってきたな、と思って」
「ほほぉ……。それは、俺がそこらの女の誘惑に負けて帰ってこないとでも思っていたわけか。それとも、俺から誘いをかけるとでも思ってたのか?」
「さぁ、どっち?」と言わんばかりに両腕を組み、性質の悪い笑顔を向けられる。
「やべ……俺一時間耐えられっかな?」
 ポツリと零すと、
「あぁ、蔵元はあと一時間で来るんだ?」
「……ハイ。あと一時間くらいだそうです」
「ふーん。俺、今日は飲むよ。後先考えず飲む予定でいるからあとはよろしく」
 と、買ってきたばかりであろう携帯を早速パソコンにつなぐ。
「一時間で復旧作業すませるから声かけないで」
 言うと、テーブルを占拠して作業を始めた。
 そうしてくれるに越したことはない。
 俺は少し寝るかなぁ……?
 っていうか、俺、秋斗さんが酔ったところって見たことないけど、この人どれだけ飲めば酔うのっ!?
 いや、気にせず今は睡眠を取ろう。
 でも、明日朝にはやらなきゃいけない仕事があった気がする……。
 うーん……俺が酒に呑まれなければいい話という話かな。
 寝る……今からきっちり一時間は寝るっ!