「唯兄、すごい……」
「伊達にモニタリングしてませんよーだ! 専門知識がなくてもデータと人物照らし合わせて観察し続ければ素人なりにも見えてくるものはある。俺、そういうのは得意だよ?」
「……唯兄は不思議ね?」
「何が?」
「唯兄がこういう話をしてくれるとき、モニタリングをしてもらっていることを全然負い目に感じないの。だから不思議……」
「……リィは誰に負い目を感じる必要もないんだけどね」
 唯兄は珍しく苦い笑いを見せた。
「さ、休まないことには治るものも治らないよ。熱はまだ三十八度台なんだからね」
「うん、手……洗ったら寝る」
「あぁ、髪の毛まとめたのね。ベトベトして気持ち悪いかもだけど、お風呂ももう少しの我慢!」
「うん」
 私は手を洗い、自室に戻ってすぐに横になった。